がん遺伝子治療について

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がん遺伝子治療について

スキルス胃がんのために歩行が全くできなくなった患者さんが回復した例

つい最近ですが、CDC6と、がんの特性もしくは、がんの診断・治療についての論文検索を秘書に久しぶりにしてもらいました(彼女はリサーチ力があるのでいつも頼りにしています)。
すると、「CDC6は喀痰細胞診で肺がんのマーカーになる」、「CDC6は慢性骨髄性白血病の治療標的である」、「CDC6のノックダウン(消去)は前立腺がんの治療効果を高める」「CDC6の活性を抑えるとHPV(ヒトパピローマウイルス)関連のがんの転移を抑える」などといった論文を多数提示してくれました。がんの診断・治療においてCDC6が大きく関わる可能性を再認識できる非常に意義深い論文群でした。
 
そのような中で、スキルス胃がんが進行したことによる症状が劇的に改善した例を最近また当院においても経験しましたので簡単にご紹介します。
 
患者さんは65歳の男性。2017年梅雨の時期にスキルス胃がん、右鼠径部転移と診断されました。2017年6月までは自転車にも問題なく乗れていましたが、突然歩行障害になったため近くの医療機関を受診したところスキルス胃がん、右鼠径などへの多発転移と診断されました。ところが、治療法がなかなか決まらずに8月も後半になってしまったため当院を受診されて遺伝子治療(CDC6 shRNA治療=CDC6 RNAi療法)を希望されました。通院している医療機関では抗がん剤治療しかないと言われていましたが、一向に治療が進まないので早く何か有効な治療を希望して受診したとのことでした。右鼠径部の転移巣は体表からも大きなシコリとして触れ、CT検査で右大腿神経への浸潤が疑われました。これが痛みと歩行困難の原因だと容易に判断できるものでした。早速9月上旬より1週間に1回のペースで治療を行いました。治療法は、右鼠径部の腫瘍への直接注射、スキルス胃がんへエコーガイドで経皮的に直接注射、および経静脈的投与(点滴)の3つの投与ルートを軸としました。9月から抗がん剤治療も併用する予定としていたところ右鼠径部の腫瘍が見る見る縮小し、全く歩けないほど辛かった痛みが完全に消失して、小走りもできるようになりました。その後は抗がん剤治療(TS-1)を併用して遺伝子治療を継続する方針となり、遺伝子治療は内視鏡によるスキルス胃がんへの直接注射(経粘膜的)、経静脈的投与と経過により腹腔内への経皮的投与を行う方針としました。11月のCT検査で右鼠径部の腫瘍は全く確認されませんでしたが、その後も再発を来しておらず、患者さんは歩行を含めた日常生活に全く支障を来さなくなりました。内視鏡所見においても徐々にスキルス胃がんが沈静化している印象で治療経過は非常に良好と判断されています。
CT推移

 かねてから、経験している通り、当院のCDC6 shRNA治療=CDC6 RNAi療法は、スキルス胃がんに反応する例が非常に多いです。スキルス胃がんにはCDC6の発現が極めて多いことが予想されます。また、スエーデンのある病理学教室のライブラリーでは、特に膵臓がん、頭頸部がん、カルチノイド、大腸がん、乳がん、陰嚢がんなどにもCDC6の発現が多いという報告があり、これらの部位のがんは本治療による治療効果が期待できると考えられます。
 
 最後に2009年より当院で継続しているこの遺伝子治療(CDC6 shRNA治療=CDC6RNAi療法)についてまとめた書籍を2018年1月10日に上梓しました。先端的で治療効果が期待できる上に副作用が殆ど無いがん治療であり、難治がんの患者さんに寄り添う治療でもあることから「尊厳ある治療」としてまとめております。

この治療に興味のある方は是非ご一読いただければ幸いです。

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