がん遺伝子治療について

カテゴリー
がん遺伝子治療について

がん遺伝子治療(CDC6RNAi療法)の治療効果を高める方法

ポイント1.
 抗がん剤との併用で相乗効果あり。 
早期に遺伝子治療を開始すればするほど、がんを克服できる可能性が高まる。

ポイント2.
 遺伝子治療剤の投与法も治療効果に大きく影響する。
動脈カテーテルを用いてがんの栄養血管に高濃度の薬剤を送達するのが良い。

 がんに対する補完医療として2009年に遺伝子治療の提供を開始してから早10年目になります。実質的な遺伝子治療回数は1000回を超えました。遺伝子治療の特に注目に値する点を改めてご紹介すると、①進行がんの方でも症状の改善が期待できる、②健康を損ねる大きな副作用がない、の2点に集約されます。このことは、遺伝子治療は標準治療に併用することもでき、病期が相当に進行した方でも遺伝子治療を行う意義があることの理由にもなります。しかし、がんが相当に進行して正常臓器の機能が大きく損なわれてしまってからでは、遺伝子治療を実施してもその治療効果は体感できません。

 一方で、遺伝子治療により、今までの医療常識を超える劇的な症状改善や治療成果が見られた症例も数多く体験します。そのような治療の著効例における共通点は何でしょう? 治療経過が良好であった症例を顧みて、この治療法の効果を最大限に引き出すためのポイントを考察すると、それも2点に集約されます。すなわち、①できるだけ早く治療に着手する ②できるだけ高濃度の薬剤を病巣に届ける、と極めてシンプルで、一般的ながん治療と比較して治療効果を高めるポイントの点では何ら変わりありません。

 がん細胞は日々細胞分裂して増殖を続け正常臓器を壊していきます。投与する薬剤量が同じであれば、がん細胞数が少なければ少ないほど治療効果が得られるのは明らかでしょう。すなわち①に関しては言うまでもありません。例えば、進行がんの中でもステージ3とステージ4で比較した場合に、よりがんの広がりが少ないステージ3で遺伝子治療を開始した方が、ステージ4になってようやく治療に着手した場合に比べて圧倒的に治療成績が良くなります。また、ステージ4は がんが発生した場所から離れた臓器に転移が見られた状態を表します。一口にステージ4と言っても進行度に大きな違いがある場合があります。例えば、乳がんで肺に1か所転移がある方も、直腸がんで肺、肝臓、骨、大動脈周囲のリンパ節など複数の臓器に転移がある方も同じステージ4に分類されます。前者に比べて後者が圧倒的にがん細胞の数が多く、かつ病期が進んでいるのですが、いずれの状態も現在医療では同程度の病気の進行度と評価され治療成績が集計されます。同じステージ4でも、元気に日常生活を送れて自覚症状の全くない方もいれば、逆に虚弱状態で食事も摂れずほぼ寝たきりという状態の方もおられ、同じステージ4でも病期の進行度には大きな隔たりがある場合が少なくありません。

実際に、ステージ4であっても、転移した病巣が限局しており、症状が無く元気に生活している方であれば、遺伝子治療でがんをコントロールできる可能性が大きい印象です。現に、乳がん切除後の肺転移、スキルス胃がんで腹膜播種はあるが腹水が発生していないレベルであれば、遺伝子治療でがんが寛解レベルに制御できる可能性があります。すなわち、ステージ4でも遺伝子治療で病勢や症状が完全に抑えられて健康な方と何ら変わりない状態に回復することがあります。

ステージ4でも、日常生活を自立して問題なく生活できているというような方は、その状態のうちに遺伝子治療を開始すれば、症状が改善する可能性が大きく、がんの克服も目指せるということです。

 ②については、遺伝子治療は、薬理学的な視点で明らかです。がん細胞に送る製剤の濃度が高濃度であればあるほど治療効果が高くなります。全身をめぐる血液中を循環している微小ながん細胞には点滴投与のみでも治療効果はあるでしょうが、がん病巣部が臓器を大きく蝕んでいる場合には点滴投与のみでは必要な濃度の製剤が病巣に十分届かない可能性があります。そこで、北青山Dクリニックでは、動脈カテーテルを駆使して、がん細胞に栄養を届けている血管に高濃度の製剤を送る手法をしばしば用いています。これは、心臓や脳血管のカテーテル治療と同じ手法です。手首や肘の動脈からカテーテルを挿入し、がん細胞を養っている動脈の近くにカテーテルの先を誘導します。そして、カテーテルを介して高濃度の製剤をがん細胞の栄養血管に送るのです。がん細胞が自身を養う栄養血管を豊富に作っている性質を利用して、この方法により製剤を集中的にがん細胞に送ることが可能になります。この技術は、循環器内科医、心臓血管外科医、脳神経外科医、放射線科医など限られた医師が持つ技術なので、全ての診療科で実施できるわけではありません。北青山Dクリニックでは、下肢静脈瘤の日帰り手術においても同様の血管内治療を日常的に実施しており、また椎間板ヘルニアのレーザー治療に必須のCアームという特殊透視機器も有しています。動脈カテーテルを用いた治療においては、血管内治療の手技を習得していることと、透視下治療で用いるCアームを装備していることが必須ですが、北青山Dクリニックにはその条件や環境が備わっています。

 また、腹腔内に播種して広がった転移がんや胃の全体に広がったスキルスがんに対しては、エコーや内視鏡を用いてがん細胞内やその表面に直接製剤を送る方法も実施しています。これらすべての治療においては、苦痛がないように静脈麻酔を駆使して実施することで、がん患者さんの苦痛を最小限にすることが極めて大切であると考えています。

 高濃度の遺伝子治療薬を病巣部に効率的に送るには、点滴のみでは不十分。動脈カテーテルを用いた血管内治療や直接注射が有効です。


・以下 早期治療により治療が奏功した例
  
◆ 60歳 悪性ヒステイオサイトーシス 
→ 局所注射治療によりMRI上腫瘍が消失


◆ 65歳女性 乳がん肺転移
        →点滴投与により 肺転移巣がCT上消失


◆59歳女性  転移性脳腫瘍
        → 経動脈カテーテル治療で病巣の縮小顕著

コメント

コメントはまだありません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ページの先頭へ