スキルス胃がん治療経過例

カテゴリー
スキルス胃がん治療経過例

スキルス胃がん の 遺伝子治療 による 一経過例

今回は スキルス胃がん の 遺伝子治療 による 一経過例 です。末期がんでしたが、生活の質が大きく改善しました。

現在、北青山Dクリニックで提供している遺伝子治療CDC6shRNA療法は、採用当初は腹膜播種を伴わない初期のスキルス胃がんを根治させた治療として紹介されました。 以降、本治療を提供してきたスキルス胃がんの患者さんの殆どは、腹膜播種やリンパ節転移を既に来しており、完全に病巣を消去できたケースはまだありません。

しかし、腹水が大量に貯留しているなど臓器不全が進行した極めて重症の方を除けば、全ての方に一定の治療効果はあり、末期スキルス胃がんの方でも明らかに症状が改善し生活の質が向上する症例は度々経験しています。
今回ご紹介する70歳の女性の患者さんは、スキルス胃がんが発見された時には既に腹膜播種により直腸が完全に閉塞し、尿管も詰まりかけていて十分な尿の排泄ができない状態でした。
遺伝子治療を開始する前に、排便がしっかりとできるように人工肛門が増設され、尿の排泄を維持するために尿路にステント(尿管が詰まらないようにするための特殊な器具)が既に設置されていました。がんは胃のほぼ全体を覆っており、胃の内腔が閉鎖するのも時間の問題のような状況でした。
抗がん剤による化学療法も開始されていましたが、ご本人とご家族の希望で遺伝子治療を併用して行うことになりました。治療薬の送達は、点滴+腹腔内への直接注射にて行いました。治療は外来通院治療で特に大きな問題もなく順調に経過しました。治療のたびに患者さんの顔色が良くなり元気になるのが周りから見て取れました。一般的に抗がん剤治療で元気になるといことはなく、少なくとも一時的な副作用が発症して治療後は多少の負担を伴うことを考えると、治療間もなく調子が良くなったのは遺伝子治療が寄与しているのではないかと考えられました。 定期的に検査で治療効果を評価しましたが、治療開始後1か月のCT検査で原発巣の胃病変に改善がみられ腫瘍マーカーも正常化しました。 治療は2クール実施したあと経過が良かったので、しばらく様子を見ることになりました。 治療後半年過ぎた時点でCT検査により評価したところ更に胃の病変は小さくなっていました。食事も排泄も問題なく元気に海外旅行も可能となり、治療開始時には病状が急激に悪化していく可能性が大きかったことを考えると、本治療がしっかりと効いている印象をうけました。生活の質が著しく改善しているのです。 その後、結局計3クールの治療を実施し、患者さんは非常に元気で症状は安定していらっしゃいました。このように遺伝子治療が明らかに効いていると判断でき、病変がまだ残っているので遺伝子治療の追加も検討しましたが、しばらく遺伝子治療は実施せずパクリタキセやドセタキセルなどの新しい抗がん剤治療で対応することをご本人とご家族は選択されました。 写真は遺伝子治療を開始してから定期的に撮影された所見です。選択した画像のみでは明らかではありませんが、スキルス胃癌により肥厚した部分が薄くなり、胃周囲に広がっていた病巣も縮小傾向と評価されました。

2012年11月

スキルス胃がん の 遺伝子治療 による 一経過例1

2013年7月

スキルス胃がん の 遺伝子治療 による 一経過例2

2013年12月

スキルス胃がん の 遺伝子治療 による 一経過例3

その後約1年はお元気だったとのことですが、最期は薬が飲めなくなりお亡くなりになったとご家族からご連絡を頂戴しました。 末期のスキルス胃がんで明らかに遺伝子治療の効果があったと判断できる症例でしたが、途中で治療を休止したとはいえ、最終的にお亡くなりになったという報を受けたときは、非常に落胆しました。投薬量は十分だったのか、治療の頻度は適切だったか、治療継続が必要だったのでは、など色々と反省は先に立ちません。初期の治療で症状が改善し、生活の質も良好であったことを考えると、治療を継続する負担が軽減できるように諸処の環境を整えることが大切であると感じています。

メールでのご質問はこちらから受け付けております。

コメント

コメントはまだありません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ページの先頭へ