がんの基礎知識

がんの最新動向

2014年にがんで死亡した方は368,103例でした。 その内訳をみると・・・

死亡数が多い部位 (2014年)

男性:肺、胃・大腸・肝臓・膵臓 女性:大腸・肺・胃・膵臓・乳房

罹患数が多い部位 (2012年)

男性:胃・大腸・肺・前立腺・肝臓 女性:乳房・大腸・胃・肺・子宮

がんは、早期に発見して治療すれば根治が可能性な疾患です。 胃や大腸は、早期発見・治療によってほぼ100%根治が期待できますが、実際には多くの方が胃や大腸のがんで亡くなっています。このことは健診が徹底されていないことを示唆しています。 胃や大腸をはじめ、上記のように罹患頻度の多いがんについては、積極的にスクリーニング検査を受けましょう。 一方で、罹患数が少ない割に死亡数の多い膵臓がんは、発見時にすでに進行が進んでいて治療が難しい、つまり早期発見しにくいがんであると考えられます。

年代別のがん発症部位

死亡原因となるがんの発症部位は年代によって異なることも注目です。 男性の場合、40歳以上では消化器系のがん(胃・大腸・肝臓)が死因の多くを占めますが、70歳代以上ではその割合が減り、肺がんと前立腺がんの割合が増加します。 女性の場合、40歳代では乳がん・子宮がん・卵巣がんの死亡が多くを占めますが、高齢になるほどその割合は減少し、消化器系(胃・大腸・肝臓)と肺がんの割合が増加します。 こういった事実は、年代別に積極的に健診を受ける部位を変えていく必要があることを意味します。

男女別の罹患率

2012年のデータによると、がんの罹患率は男女とも50歳くらいから増加し、高齢になるほど大きくなります。 30歳代後半から40歳代では女性が男性よりやや大きく、60歳代以降は男性が女性より顕著に大きくなっています。 女性は、特に乳腺・子宮・卵巣などの婦人科領域において、男性よりも早い時期に健診を始めるべきだと言えるでしょう。

部位別の生存率

一般的に、がんは治療後5年生存すれば致死率が著しく減るので、各医療機関の治療成績には「5年生存率」という指標がよく用いられます。 2016年1月に国立がん研究センターが10年生存率を始めて集計し発表しました。 これによって、より長期的な予後の傾向ががんの部位別に示されました。

5年相対生存率の高い部位 (2006年~2008年)

男性:前立腺、皮膚、甲状腺、膀胱、喉頭、結腸、腎・尿路(膀胱除く) 女性:甲状腺、皮膚、乳房、子宮体部、喉頭、子宮頸部、直腸

5年相対生存率の低い部位 (2006年~2008年)

男性:白血病、多発性骨髄腫、食道、肝および肝内胆管、脳・中枢神経系、肺、胆のう・胆管、膵臓 女性:脳・中枢神経系、多発性骨髄腫、肝および肝内胆管、胆のう・胆管、膵臓

<がん部位別生存率>

出典 全国がん罹患モニタリング集計 2006-2008年生存率報告(国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター, 2016) 独立行政法人国立がん研究センターがん研究開発費「地域がん登録精度向上と活用に関する研究」平成22年度報告書

こちらは、男女差がありません。特に膵臓は、5年相対生存率が男性7.1%/女性6.9%と、他の部位のがんに比べて著しく悪くなっています。その理由としては、「膵臓がんは早期発見が難しい」、「膵臓がんは分裂増殖能が大きいケースが多い」ということが挙げられます。 他にも

  • 胃・大腸・乳腺・前立腺などは早期に発見すると5年生存率はほぼ100%である
  • いずれのがんも発見が遅れてステージⅣになると著しく生存率が低下する

ということがいえます。 また、部位によっては5年相対生存率と10年相対生存率に開きがある場合があります。 例えば卵巣がんで5年-10年相対生存率を比較すると、臨床病期がステージⅢの場合、10年相対生存率は5年に比べ20%近く下がります。 これは、5年を過ぎてもチェックを欠かさず注視していく必要があるということです。

■卵巣がん5年―10年相対生存率

卵巣がん5年―10年相対生存率
  • 全がん協部位別臨床病期別5年相対生存率(2004-2007年診断症例)
  • 全がん協部位別臨床病期別10年相対生存率(1999-2002年初回入院治療症例)
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