スキルス胃がん・膵臓がんとCDC6shRNA治療

スキルス胃がん・ 膵臓がんに対するCDC6shRNA治療

スキルス胃がんと膵臓がんは、代表的な難治がんです。早期発見が難しく根治的な治療法が確立されていません。

胃がんにはヘリコバクタ―ピロリ菌感染が大きく関与していることがわかっており、それを駆除すれば胃がんの発症を抑えることが期待できますが、スキルス胃がんはピロリ菌がその発症に関与しているかどうかわかっていません。発症原因がはっきりしないばかりか、胃粘膜表面から発生する通常の胃がんと異なり、粘膜の下の深い層から発症するため、内視鏡検査でも発見されにくいのです。そして、スキルス胃がんが発症していても、生検(内視鏡検査で胃粘膜表面の組織を少し取って病理検査で細胞の悪性度を調べる)で異常が指摘されにくいので、その確定診断が容易ではありません。診断がようやく確定する頃には病変が相当に進行していることが多いのです。胃の粘膜の下の層(内視鏡検査で直視できない)に発生して粘膜下を這うように発育するため発見しにくく、診断がつく頃には病変が相当に進行していることが多い、これがスキルス胃がんの治療が難しい理由です。そして、スキルス胃がんは20歳代などの若い世代でも発生することが多いことも一般的な胃がんと大きく異なる点です。遺伝子的な異常が背景にあることが疑われていますが、それもはっきりわかっていません。

一方、膵臓がんも、スキルス胃がんと同様で発見が難しく根治治療が確立されていません。そもそも膵臓という臓器は体の背中側に奥深いところにあり、胃や大腸のように内視鏡を挿入することができません。CTMRIPETなどの最新の検査機器でも早期に発見することが極めて難しいのです。さらに、病変の進行が早く、胆管・門脈・肝臓など周囲の臓器にあっという間に浸潤していきます。すなわち、発見された時には手術で完全に取りきれる状態ではないということがしばしばです。さらに、仮に手術が可能だとしても、膵臓周囲には胃・十二指腸・胆管などの消化管臓器が密集しているので、複数の臓器が同時に切除される大手術となることが多いのです。がんの根治度を評価するのに5年相対生存率などの指標がありますが、膵臓がんは全てのがんの中で5年生存率が最も低いことが分かっています。

生存率が比較的良好な部類のがんである大腸がんの生存率


膵臓がんの生存率

 ところが、スキルス胃がんや膵臓がんにCDC6 shRNA治療は有効である可能性があります。なぜなら、治療のターゲットであるCDC6タンパクがスキルス胃がんや膵臓がんには豊富に発現していることが示されているからです。がんの無限増殖能という悪性の根源と言えるCDC6タンパクは殆どのがんに発生していることがわかっていますが、その中でも特にスキルス胃がんと膵臓がんにはそのタンパクが非常に多く発現しています。CDC6shRNA治療は、CDC6タンパクを消去する治療法ですので、スキルス胃がんと膵臓がんにはその効果がより大きく出る可能性があります。

 

各種がんでCDC6タンパクの発現が中等量以上の割合 膵臓がん: pancreatic cancer

 

 現に、実際にスキルス胃がんや膵臓がんは他のがんと比べてCDC6 shRNA治療の治療効果が大きい印象があります。しかし、殆どの症例は、標準治療を受けつくして有効な治療法が無い状態や、ステージ4の中でも最も末期に近い状態でCDC6 shRNA治療を開始しているので根治できずに延命に留まってしまうことになります。

 CDC6 shRNA治療は抗がん剤のような重篤な副作用がないので、スキルス胃がんや膵臓がんと診断されたら速やかに受けていただきたい治療です。それにより、これらのがんを、survive(生き延びる)することが期待できると考えているからです。

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