がんの遺伝子治療「CDC6shRNA治療」

治療実現のポイント

どのようにして「CDC6タンパク」を除去するのか?

「RNA干渉」という新しい医療技術を応用し、CDC6タンパクの合成に関与するmRNA(遺伝子に書かれた情報をタンパク質合成の場所へ伝える存在)を切断・破壊。その結果、CDC6タンパクは合成されなくなります。

どのようにして作用物質をがん細胞中に送り込むか?

RNA干渉を誘発する短鎖のRNA「shRNA」を「CDC6shRNA」と呼びます。 この物質を確実にがん細胞内へ送り届けるために、CDC6shRNA治療では、病原性がなくなったウイルスをベクター(運び手)として用います。 ウイルスベクターには数多くの種類がありますが、この治療では、もっとも強力な「レンチウイルスベクター」を使用しています。レンチウイルスベクターは、複数の遺伝子や容量の大きい遺伝子を運ぶ力が大きく、毒性を持たず、有害な免疫反応も誘発しないので、がん遺伝子治療において最良のベクターと言えます。

作用物質をガン細胞のみで反応するようにするには?

CDC6shRNAを細胞内に運んだとしても、それががん細胞のみで反応し、正常細胞には悪影響を与えないということが保証されなければいけません。 CDC6shRNA治療では「hTERTプロモーター」を用いて、癌細胞のみで薬理効果が発生するようにしています。 hTERTプロモーターは、細胞分裂の際に短くなるテロメアの再生に関わる存在で、正常細胞では活動性を示さず、がん細胞では活発に活動するという特徴があります。このhTERTプロモーターが活動している時だけRNA干渉が開始するように設計することで、CDC6shRNAをがん細胞にのみ作用させます。

追加搭載され得るがん抑制遺伝子
「CDC6shRNA治療」では、CDC6shRNAのほかにも「p16」、「PTEN」、「p53」などのがん抑制遺伝子も同時に搭載されることがあります。

<P16>
細胞周期を調節する働きがあり、この遺伝子に変異が生じると、さまざまながんの発生リスクが高まる。

<PTEN>
この遺伝子の働きが阻害されると、発がんに関与するシグナルが細胞内に伝達される。がん細胞中でPTEN遺伝子の変異が見つかっている。

<P53>
「ゲノムの守護神」ともよばれる、もっとも代表的ながん抑制遺伝子。 DNA修復や細胞増殖停止、アポトーシス(細胞死)など、細胞増殖サイクルを制御する機能を持ち、細胞ががん化したときにアポトーシスを起こす。がん細胞ではP53遺伝子の変異がもっとも高頻度に認められる。

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